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塩麹(塩こうじ・塩糀)とは?
最近、スーパーでも手に入りやすくなった「塩麹」。健康志向の方や腸活をされている方には、すでに定着してきました。
「塩麹」はその名の通り、塩と麹(こうじ・糀)で作られた発酵調味料です。
塩麹は腸内環境を整えたい場合にも有効。
普段のお料理で使用する「塩」を、「塩麹」に置き換えるだけで手軽に腸活ができるのでおすすめです。
まろやかな塩味を加えたい時におすすめ
塩味が足りない時に、塩の代わりに塩麹で味付けをするとまろやかな塩味を加えることができます。
塩に比べて、塩麹は上品でほのかに甘みを含む塩味になるのがメリットの一つ。
理由はとっても簡単です。塩麹に含まれるアミラーゼという酵素が、素材のでんぷん質を糖(甘み)に分解してくれるから。
塩味に加えて、塩麹をまぶした肉や魚、お野菜などの甘みを引き出してくれるのです。
塩麹を使う理由。気になる効能と効果
塩麹には調味料としてだけではなく、食材の下準備としても優秀です。
食材にまぶすとデンプンやタンパク質を分解して旨みや甘みを引き出し、肉や魚の身がやわらかくなります。
塩麹の効能① 栄養価がアップ
塩麹にはエネルギー代謝を助けるビタミンB1や、肌や粘膜を修復するタンパク質の代謝に関わるビタミンB2・B6、そして善玉菌を増やして腸内環境を整える酵素が含まれています。
健康と美容面の副産物があるのは嬉しいポイントですね。
塩麹の効能② 食材を柔らかくする
鶏ムネ肉や豚ロースを加熱してかたくなったりパサついた経験はありませんか? 塩麹をまぶして置いておくと、塩麹に含まれる酵素の働きで肉や魚の身をやわらかくすることができます。
塩麹の効能③ 整腸作用
腸内環境を整えるためには、善玉菌を増やすことが重要。
善玉菌を増やすには、善玉菌のエサが必要です。
塩麹が作るオリゴ糖は善玉菌のエサとして働いていますので、善玉菌を含む食品とセットで食べることでさらに腸内環境を整えることができますよ。
塩麹に含まれる酵素の役割とは?
塩麹に含まれる代表的な酵素と、その役割を紹介します。
アミラーゼにより、より甘く。
でんぷん質を糖(甘み)に分解。素材の甘みを引き出します。
プロテアーゼにより、旨みアップ。
タンパク質をアミノ酸(旨み)に分解。素材の旨みを引き出します。
リパーゼにより、良質な脂質へ。
脂肪を分解し、分解された脂肪はエネルギーへかわる。素材に含まれる脂質を良質な脂質へ。
市販の塩麹を買うなら、生タイプか加熱済みタイプか確認しよう
市販されている塩麹には、2種類の塩麹があります。
1つは未殺菌の生タイプの塩麹。もう1つは殺菌済みの塩麹です。
塩麹は発酵食品なので、そのままだと発酵がすすみます。発酵がすすむと、味わいや品質が変わってしまいます。
製品を出荷した時と同じ味わいを維持するためには加熱処理をおこない、塩麹に含まれる酵素の働きを止めなくてはなりません。
品質が維持される一方で、残念ながら塩麹のメリットである酵素の役割は果たせなくなります。
一方で、「生タイプ」は発酵が続いたまま出荷。保管方法が要冷蔵であったり、賞味期限が短いなどデメリットもありますが、健康と美容面にメリットを及ぼす「酵素」が活きたままですから、本来の塩麹の恩恵を享受できるのが最大のメリットです。
生タイプの塩麹は「酵素」が生きている
生タイプの塩麹は、麹由来の酵素が活きたまま。なので酵素の力でお肉や魚などの材料は柔らかくなり、旨みを引き出し、脂質も良質なものへ変換してくれるのです。
「生」で「無添加」にこだわる方へおすすめしたい塩麹とは?
市販の塩麹を選ぶ際に、もう一つ気になるポイントは原材料です。
もし手作りの塩麹や、できるたけシンプルな塩麹をお探しであれば原材料を確認してみましょう。
本当の塩麹の原料は、米麹と塩と水のみ。
本来の塩麹は、このシンプルな原材料だけで自然な甘みや旨味を引き出してくれる味わい深い塩麹となります。
他の調味料や添加物が入っていなくても十分美味しくなるので、無添加の塩麹であれば安心して食べることができるのでおすすめです。
福光屋の「生・塩糀」へのこだわり
福光屋の酒造り、発酵食品づくりに欠かせない「米麹」は、蔵のなかで熟練の職人たちの手によって造られています。原料となるのは契約栽培された酒造好適米と、福光屋の地下150mから湧き出る仕込み水「百年水」です。
米は蒸されてから30~40℃に保たれた麹室(こうじむろ)と呼ばれる特別な部屋に運ばれ、種麹(もやし)を振りかけて米粒に黄麹菌が植え付けられます。室に入れてから約2日間ほどで出来上がりますが、とてもデリケートなため2〜3時間毎に手入れをして麹づくりを行っています。
赤ちゃんを育てるようにして造った麹を、地下150mから湧き出る百年水と、塩のみを原料にした塩麹は、活きた酵素をそのままお客様へお届けしたいため「生」タイプでのみ販売しております。
【無添加・生タイプ】 酒蔵仕込みの塩麹
塩麹を手作りしたい方向け。おすすめの乾燥こうじ
【おまけ】麹と糀の違いとは?
「こうじ」を表す漢字は2種類あります。こうじは、米や麦、大豆などの穀類でつくりますが、それらのこうじ全般を表す漢字として中国から伝わった「麹」という字が使われています。もう一つの「糀」という字は、明治時代にできた国字(日本でつくられた和製漢字)で、蒸し米に麹菌をつけて繁殖させた米麹のみを表します。
「糀」という字をよく見てみると、糀は「米」と「花」で成り立っています。
麹菌が繁殖された糀を実際に見てみると、お米の表面に白いお花が咲いているようにも見えるので、昔の人はその様子を見て「糀」という漢字を作ったのかもしれませんね。