「同じ飲酒なら体に良いものを飲みたい」と誰もが思うもの。日本酒にはビールや焼酎にはない様々な健康効果があります。ここでは栄養成分や美容成分が摂取できるなど、注目すべき日本酒の効能を取り上げてみました。そのメリットを最大限に活かす飲み方もご紹介します。
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ビールや焼酎にはない、日本酒だけの効能とは
お酒をほどよく飲むと血管循環が良くなり、心の抑制が解放され、リラックス効果やストレス解消効果があります。しかし、日本酒には、それだけではない、さらに多くの健康効果があるのを知っていますか?
日本酒は古くから全国で造られ、飲まれ続けてきました。私たちの祖先はその美味しさを味わうとともに、健康にも恩恵を受けてきたのです。
飲酒は体に悪いというイメージがありますが、適量ならば健康メリットを生かして楽しめます。ここでは、数多くの日本酒のメリットの中から特徴的な3つ「血行促進」「豊富なアミノ酸」「美肌効果」をクローズアップします。
血行促進
日本酒には、他のお酒よりも血管を拡張する「アデノシン」という物質が多く含まれており、他のアルコールを飲んだ時よりも、体温が2度ほど高い状態が続くといわれています。全身が温まることで、肩こりや疲労回復にも効果的。冷え症に悩む女性にも、適量の日本酒はうれしい味方です。
豊富なアミノ酸
日本酒造りの工程では、お米と麹菌の発酵によって、元々のお米にはなかったビタミン・ミネラル・アミノ酸・有機酸など様々な栄養素が生まれます。中でも注目は「アミノ酸」です。アミノ酸は「生命の源」といわれ、体に必要なたんぱく質の材料となる大切な成分。不足すると、気力低下、筋肉量減少、疲労感など様々な不調が起きてしまいます。
人の体は20種のアミノ酸からできており、体内で合成できない必須アミノ酸は食物から摂取しなければなりません。その9種の必須アミノ酸すべてを含んでいるのが日本酒なのです。
必須アミノ酸 | 非必須アミノ酸 |
---|---|
体内では合成されず、必ず食物から補給しなければならないアミノ酸 | 体内で合成できるが、様々な働きがあるため、摂取したいアミノ酸 |
バリン | アルギニン |
イソロイシン | グリシン |
ロイシン | アラニン |
メチオニン | セリン |
リジン(リシン) | チロシン |
フェニルアラニン | システイン |
トリプトファン | アスパラギン |
スレオニン(トレオニン) | グルタミン |
ヒスチジン | プロリン |
アスパラギン酸 | |
グルタミン酸 |
ビールやワインと比べ、とりわけ豊富なアミノ酸を含む日本酒は、栄養面でも優秀なお酒といえそうです。
日本酒の美肌効果
よく「日本酒を普段から飲むことが多い、お相撲さんや芸妓さんは肌がきれい」といわれますが、実はそれには根拠があります。
日本酒に含まれるアミノ酸には、肌を保湿する作用もあり、肌のうるおいを維持する効果が期待できます。また、日本酒に多く含まれるポリフェノールの一種である「フェルラ酸」は、紫外線の皮膚への吸収をカットし、日焼けによるダメージを抑える働きがあります。そうした美肌効果を生かして、近年では日本酒を原料としたコスメも数多く発売されています。
飲むだけではなく直接肌につけても安心な日本酒※は、お風呂の入浴剤代わりに使うこともできます。いわゆる、日本酒をお風呂に入れる「酒風呂」は、健康や美肌にとても効果的。体が温まるだけでなく、お肌の老廃物を排出し、保湿効果もあります。
冷え性やお肌の荒れに悩む方は、酒風呂用のお酒もあるので、試してみてはいかがでしょう。
体に良い日本酒の飲み方
健康や美肌に良い効果をもたらす日本酒ですが、沢山飲めば良いというわけではありません。どんなお酒も飲み過ぎると体に悪い影響が出てしまいます。またアルコール分がうまく分解されず、二日酔いで翌日が台無しになってしまうのも避けたいところです。日本酒のメリットを最大限に生かすには、適切な飲み方を知ることが大事。その3つのポイントは「適量」「一緒に楽しむ料理」「和らぎ水」です。
日本酒の適量とは?
一般的に適量といわれるのは、1日180ミリリットル。コップなら1杯、徳利なら1本、おちょこなら10杯分です。
ただ、アルコールの分解能力には個人差があるので、あくまでも目安としてください。日本酒180ミリリットルのアルコール摂取量は、ビールなら中びん1本分ほど、缶チューハイならロング缶1本になります。
種類 | アルコール度数 | だいたいの目安 | 容量 |
---|---|---|---|
ビール | 5度 | ロング缶1本 | 500mL |
日本酒 | 15度 | 1合 | 180mL |
焼酎 | 25度 | 0.6合 | 約110mL |
ウイスキー | 43度 | ダブル1杯 | 60mL |
ワイン | 14度 | フルボトル1/4本 | 約190mL |
缶酎ハイ | 5度 | ロング缶1本 | 500mL |
女性は男性よりアルコール感受性が高い傾向があるとされ、180ミリリットルより少なめでも強く酔いを感じてしまう場合があります。二日酔いにならない程度に、自分の適量を守るようにしましょう。
一緒に楽しむ料理
ほろ酔い気分は心身をリラックスさせますが、気をつけたいのがアルコールによるリスク。
飲酒で摂取したアルコール分は、肝臓で分解されます。肝臓に負担をかけないためには、お酒と一緒にたんぱく質やビタミンを含む食事をとることが大切。アルコール分解に必要な酵素の働きをこれらの栄養成分が補ってくれます。
また、たんぱく質を十分にとると、二日酔いや悪酔いの原因となるアセトアルデヒドができにくくなるメリットもあります。たんぱく質が多い食事といっても、揚げ物など油分の多いものばかりだとカロリー過多になり、ダイエットにも良くありません。
最もおすすめしたいのは和食です。刺身や焼魚、野菜の煮物、和え物、納豆や漬物などの発酵食品とバランスよく食べるのがベストです。魚介の臭みが日本酒によって中和され、醤油やだしなどの味付けや発酵食品の旨味が日本酒の風味と絶妙に合い、お酒も料理も一層美味しく味わえます。
和らぎ水でゆっくりと
体に良い飲み方のキーワードは「ゆっくり飲むこと」。飲む速度が速いと、早く酔いが回り、健康リスクも高まってしまいます。
そんな飲み過ぎ防止のペースメーカーになってくれるのが、和らぎ水(やわらぎみず)です。
日本酒と共に飲む水のことをいい、飲むペースや酒量を抑え、酔いの回りを緩やかにするのに役立ちます。悪酔いや二日酔い防止にもとても効果があります。日本酒の合間に和らぎ水を飲むことで、口の中がリフレッシュでき、次の一杯がさらに美味しくなり、食事の味もより繊細に感じられるようになる、舌のリセット効果も見逃せません。
飲む水は特別な水ではなく、水道水やミネラルウォーターでもかまいません。ただ、より美味しく日本酒を飲みたいなら、日本酒造りの際に使用する仕込み水を選んでみてはいかがでしょう。酒蔵こだわりの名水が多く、口当たりの違いや豊富なミネラル分を含むなど、それぞれの特徴があります。選ぶポイントは飲む日本酒と同じ酒蔵の仕込み水を「和らぎ水」にすること。日本酒の楽しみに、和らぎ水とのマッチングを取り入れてみるのもおすすめです。
美容と健康によりそう日本酒関連アイテム
酒風呂でお肌しっとり、身体ぽかぽか すっぴん 酒風呂専用・原液 純米
酒蔵生まれの酒風呂専用の純米酒の原酒です。昔から「酒蔵の職人の肌はきれい」といわれ、純米酒に含まれるさまざまな美容成分が注目されています。酒風呂に入ると身体の芯から温まり、天然のアミノ酸でお肌がしっとりうるおいます。ほのかに漂う日本酒の香りもリラックスでき、家族みんなで楽しめます。
100年の恵みが溶け込んだ天然水 酒蔵の水
「酒蔵の水」は福光屋の酒造りに欠かせない仕込み水「恵みの百年水」をボトルに詰めたミネラルウォーターです。酒造りに最適なミネラルをたっぷりと含み、やわらかな口あたりと清冽な喉ごしが特長です。お酒のお供の「和らぎ水(やわらぎみず)」として飲むと、実にやさしい酔い心地を実現してくれ、お料理に使っても美味しく仕上がります。