日本酒の飲み比べを楽しむ5つの切り口 -前編-(原料・精米歩合・製法編)

日本酒の飲み比べを楽しむ3つの切り口(原料・精米歩合・製法編)

日本酒に興味をもったときに、その種類の多さに驚かれる人も少なくありません。
同じ酒蔵でも、いろんなタイプの日本酒をつくっています。

様々なタイプの日本酒を飲んでみたい、ギフト用に日本酒を送りたいけれど、どれを選べばよいかわからない。
そんな時にオススメしたいのは、日本酒の飲み比べセット。

ここでは最大限に日本酒を楽しむための飲み比べ方、相手に喜んでもらうための日本酒ギフトセットの選び方をご紹介します。

日本酒を楽しむコツ。試してみたい日本酒の飲み比べの方法

いろんな日本酒を同時に味わえる「日本酒の飲み比べ」は最近日本酒に興味をもった人も、日本酒愛好家の人にも楽しんでもらえる飲み方です。

特に「日本酒を勉強したい」「自分好みの日本酒を探したい」ときには、一度に多くの種類を試せる「飲み比べセット」がオススメ。

そんな飲み比べセットをただ飲むだけではもったいない!
日本酒の飲み比べセットをさらに堪能するためのポイントをお伝えします。

日本酒の原料や精米歩合、製法の違いで味わいは変わる!?

日本酒は原料や製法・精米歩合等の違いで、ある程度味わいを予想することができます。

まず、抑えるべきポイントは、その日本酒が「特定名称酒」か否か、です。
特定名称酒であれば、大体の味わいの予測がたてられるため「私は〇〇系が好き」「〇〇タイプの日本酒をください」といった具合に好みの日本酒のタイプを伝えることができるようになります。

残念ながら、日本酒のラベルをみても「これは特定名称酒です」といった記載はありません。
では、どのようにしたら「特定名称酒」かどうか見分けられるのでしょうか。

実はそんなに難しくなく、「純米」「吟醸」「大吟醸」「本醸造」のいずれかのキーワードがあれば、
それは「特定名称酒」と呼ばれる日本酒です。
いずれのキーワードも見つからない場合は、「普通酒」というタイプの日本酒です。

この「純米(じゅんまい)」「吟醸(ぎんじょう)」「大吟醸(だいぎんじょう)」「本醸造(ほんじょうぞう)」は、原料や製法、原料である酒米の精米歩合の違いによって分類される日本酒のタイプを意味する日本酒の専門用語です。

原料が米・米麹のみの場合は「純米」と表示されます。
原料である酒米の精米歩合の違いによって純米酒、純米吟醸酒、純米大吟醸酒に分類されます。
(今回は特別純米酒は割愛します。)

原料が米・米麹に加え、醸造アルコールも含む場合は「純米」とは表示できず、「本醸造」と呼ばれます。
原料である酒米の精米歩合の違いによって、本醸造酒、吟醸酒、大吟醸酒に分類されます。
(今回は特別本醸造酒は割愛します。)

以上、特定名称酒はその組み合わせで「純米酒」「特別純米酒」「純米吟醸酒」「純米大吟醸酒」「本醸造酒」「特別本醸造酒」「吟醸酒」「大吟醸酒」の8種類に分類されます。

特定名称酒別、味わいの特徴

特定名称酒 使用原料 製法 味わいの特徴

米麹

米麹
醸造アルコール
吟醸
純米 ・米の旨味や味わいを感じやすく、コクがある。
純米吟醸酒 ・吟醸香と呼ばれるフルーティーな香り
・純米らしい米の旨味と味わい
純米大吟醸酒 ・純米吟醸酒よりもさらに洗練された吟醸香
・純米らしい米の旨味と味わい
・米の甘さと程よい苦味を持ったコクのある味わい
吟醸酒 ・吟醸香と呼ばれるフルーティーな香り
・キレが良くすっきりとした味わい
大吟醸酒 ・吟醸酒よりさらに洗練された味わいのお酒
・柔らかな甘みとすっきりとした味わいのお酒
本醸造酒 ・米の甘さと程よい苦味を持ったコクのある味わいとキレが良くすっきりとした味わいを併せ持つ

原料で分類

「純米酒」は、米と米麹のみで造られた日本酒のことで、精米歩合等の違いで「純米酒」「特別純米酒」「純米吟醸酒」「純米大吟醸酒」の4種類あります。
その「純米酒」は米と米麹のみで造られているため、味わいの特徴としては米の旨味やコクを十分に感じられることができます。
一方、「純米」の表示がない特定名称酒には、「本醸造」「特別本醸造」「吟醸酒」「大吟醸酒」があり、原料は米と米麹に加えて醸造アルコールが入っています。

製法や精米歩合で分類

精米歩合の分類で吟醸と表示されているものは、「吟醸酒」「大吟醸酒」「純米吟醸酒」「純米大吟醸酒」の4種類。
吟醸は米を多く削って低温でゆっくり発酵させる製法です。「華やか」で「フルーティー」な甘い香り(吟香)や色沢が特徴です。

吟醸には「吟醸」と「大吟醸」がありますが、その違いは精米歩合にあります。
精米歩合とは玄米を精米した際、玄米に対する精米後に残った白米の割合のことをいいます。吟醸と大吟醸の精米歩合はそれぞれ60%以下と50%以下。大吟醸のほうが米を削っているため手間と時間がかかる分、雑味が少なく、より香りが立ちます。

「純米吟醸酒」「純米大吟醸酒」は純米酒にも含まれるため、純米酒と吟醸造りの特徴を兼ね備えた日本酒です。
一方「吟醸酒」「大吟醸酒」は醸造アルコールが含まれるため、吟醸酒の特徴に加え、スッキリとした味わいのタイプが多いようです。

日本酒の特徴を把握することで、飲み比べる際に味わいを予想しながら口に含むと、また新しい楽しみ方ができるでしょう。
飲み比べるさいには、軽い口当たりの吟醸酒や本醸造酒から飲み、次第に味わいが豊かな日本酒へ切り替えると、最後まで日本酒の特徴を楽しむことができますよ。

おすすめの日本酒飲み比べセット

福光屋は純米酒しか造らない純米蔵なので、残念ながら本醸造酒はありません。
こちらでは、純米酒、純米吟醸酒、純米大吟醸酒が一度に楽しめる飲み比べセットをご紹介します。

ちょいボトルセット

180mLのちょいボトル12本セットです。
テーブルにそのまま出せる程よいサイズ、色々なお酒を楽しみたい方へおすすめ。お試しにも最適です。

加賀鳶の人気トップ3を飲み比べ

加賀鳶ブランドから純米大吟醸、純米吟醸、山廃仕込みの純米酒をご用意。
同じブランド内で特定名称酒違いを飲み比べてみたい時にぴったりのセットです。

加賀鳶ちょいボトルの詰め合わせセット

福光屋の代表銘柄である加賀鳶の180mlサイズのボトルを詰め合わせました。
歌舞伎の梅吉が描かれた化粧箱に入っているので、お歳暮やご挨拶のお品に大変人気です。

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